骨粗鬆症と健康
こんにちは!姫路市飾磨区にあるコンディショニング&フィットネススタジオAlterのHirokiと言います。
今回は身近で聞いたことのあるものですが、あまり意識されにくい「骨粗鬆症」についてまとめました。
骨粗鬆症とは
骨粗鬆症とは、骨の密度と強度が減少し、骨折リスクが高まる疾患です。
骨が脆くなってしまうため、重症な方はくしゃみをするだけで骨が折れてしまうといったことも起きてしまいます。
この状態を放置すると、小さな衝撃で骨折してしまうことがあり、生活の質を大きく低下させます。
また、健康のために運動をしようと意気込んだものの、知らない間に骨が脆くなってしまっていると、運動自体が怪我につながる可能性も出てきてしまいます。
そのため、骨粗鬆症の原因や確認の仕方を知っている必要があります。
骨粗鬆症の原因
人の体は、骨を含めて日々新しく生まれ変わっています。この「骨のリニューアル作業」は、古くなった骨を壊して新しい骨を作ることで行われます。骨を壊す役割を持つのが「破骨細胞」と呼ばれる細胞、新しい骨を作るのが「骨芽細胞」と呼ばれる細胞です。
普段はこの二つの細胞がバランスよく働き、骨の量は一定に保たれています。しかし、何らかの原因で破骨細胞が活発になりすぎると、骨を壊す速度が速くなり、骨芽細胞が新しい骨を作る速度に追いつかなくなります。その結果、骨の量が徐々に減少していきます。
骨の量が減少すると、骨の密度も低下し、骨はもろくなります。骨がもろくなると、少しの衝撃で骨折しやすくなります。この状態が骨粗鬆症です。
骨粗鬆症になる原因には、加齢、遺伝、生活習慣、特定の病気や薬の影響など様々あります。特に女性は閉経後に女性ホルモンが減少することで骨粗鬆症になりやすいとされています。
女性は閉経に至る数年前から、更年期と呼ばれる移行期を経験します。この時期、エストロゲンの産生が徐々に減少し始め、月経周期に不規則性が生じたり、月経の量が変化するなどの変化が見られます。更年期は、ホットフラッシュ(ほてり)、夜間の発汗、睡眠障害、気分の変動などの症状を伴うことがあります。
閉経は、最後の月経から12ヶ月経過した時点で確定されます。この時点で、エストロゲンの産生は大幅に減少します。
閉経後は、エストロゲンの減少により、骨粗鬆症のリスクが高まります。エストロゲンの減少は、皮膚の薄さや弾力の低下、膣の乾燥など、他の身体的な変化も引き起こします。
このように、骨粗鬆症は骨を壊す細胞と骨を作る細胞のバランスが崩れることで起こります。だからこそ、骨を強く保つためには、適切な運動や栄養摂取が重要になるのです。
骨粗鬆症ってどうしたらわかるの?
適切な検査によって早期発見・早期治療を行うことが可能です。一般の人が骨粗鬆症かどうかを確認する方法には以下のようなものがあります。
1. 自己評価チェックリスト
まず、以下のような骨粗鬆症のリスクファクターに当てはまるか自己評価してみましょう。
- 閉経後の女性である
- 家族歴(特に母親が骨折の経験がある)
- カルシウムやビタミンDの摂取が不十分
- 喫煙や過度のアルコール摂取
- 運動不足
- ステロイド薬の長期使用
これらの項目に多く当てはまる人は、骨粗鬆症のリスクが高いと考えられます。
2. DEXAスキャン(骨密度測定)
骨粗鬆症の診断には、骨密度測定が一般的に用いられます。特に「デュアルエネルギーX線吸収法(DEXA)スキャン」という方法が広く行われており、この検査により、脊椎や股関節などの骨密度を正確に測定することができます。DEXAスキャンは非侵襲的で、短時間(約10~20分)で終了します。
デュアルエネルギーX線吸収法(DEXA)スキャンによる骨密度測定は、骨粗鬆症の診断において最も信頼性が高い方法の一つです。この検査では、X線を使って骨の密度(質量)を測定し、その結果を「Tスコア」の形で表現します。
正常: Tスコアが-1.0以上で、骨密度が健康な成人の平均値の範囲内であることを意味します。
低骨量(骨粗鬆症の前段階): Tスコアが-1.0から-2.5未満で、正常と骨粗鬆症の中間に位置します。
骨粗鬆症: Tスコアが-2.5以下で、骨密度が著しく低下している状態を示します。
3. 医師による診断
上記の自己評価や骨密度測定の結果をもとに、整形外科医や内科医に相談することが重要です。医師は、検査結果や健康状態、生活習慣などを総合的に評価し、骨粗鬆症かどうかを診断します。
4. 血液検査
場合によっては、カルシウムやビタミンDのレベル、腎機能などをチェックするために血液検査を行うこともあります。これにより、骨粗鬆症に関連する他の健康問題を特定することができます。
骨粗鬆症にならないためには
骨粗鬆症を予防するために注意すべきポイントは多岐にわたりますが、主に次のような生活習慣の見直しや維持が重要です。
1. カルシウムとビタミンDの摂取
カルシウム: 骨の健康維持に必要な栄養素です。牛乳やチーズ、小魚、大豆製品など、カルシウムを豊富に含む食品を積極的に摂取しましょう。
ビタミンD: カルシウムの吸収を助け、骨の健康をサポートします。日光に当たることで体内で生成されるため、適度な日光浴が推奨されます。また、サプリメントやビタミンDを含む食品(魚類やキノコ類)の摂取も有効です。
2. 適度な運動
筋肉を鍛え、骨の健康を促進する運動(ウォーキング、ジョギング、筋力トレーニングなど)を定期的に行うことが大切です。
骨粗鬆症の予防における運動の効果については、多くの研究が行われています。骨密度を維持または改善し、転倒リスクを低減することが目標です。運動が骨粗鬆症の予防に役立つことを示すエビデンスやガイドラインには、以下のようなものがあります:
- 重量負荷運動: 骨に適度なストレスを与えることで骨密度を高めることができます。ウォーキング、ジョギング、階段昇降などの地面に衝撃を与える運動が含まれます。
- 筋力トレーニング: 大きな筋肉を使用する運動は骨に良い刺激を与え、骨密度を増加させることが報告されています。体重を利用したスクワットやプッシュアップなどが有効です。
- バランスと柔軟性の向上: 転倒予防に重要であり、ヨガや太極拳などが推奨されます。これらの運動はバランス感覚を養い、転倒による骨折リスクを減少させることができます。
運動に関するガイドラインは世界保健機関(WHO)や各国の骨粗鬆症協会や多くの科学的研究に裏付けされています。
しかし、運動プログラムを始める前には、医師や専門家と相談し、個人の健康状態やリスクを考慮した上で計画を立てることが重要です。
3. 生活習慣の改善
禁煙: 喫煙は骨密度の低下を招くリスクファクターです。
適度なアルコール摂取: 過度のアルコール消費は骨の健康に悪影響を与えます。
4. 薬剤の影響に注意
長期間にわたる特定の薬剤(ステロイドなど)の使用は骨密度に影響を与えることがあるため、医師と相談して適切な管理を行うことが重要です。
5. 定期的な健康チェック
個人的にすごく大切だと思っています。
特に閉経後の女性や高齢の方は、定期的に骨密度測定を受け、自身の骨の状態を把握することが推奨されます。
ちなみに病院勤務をしている時、骨折をして入院された方はほとんどの方で骨粗鬆症の評価を行っていました。
6. 姿勢の改善と転倒予防
正しい姿勢を心がけ、家の中での転倒リスクを減らすために、床の散らかりを避け、滑りにくい靴を履くなどの対策を取りましょう。
まとめ
健康のために体を作ろうと思ったときに、少し注意したほうがいいものが「骨粗鬆症」になります。
知らない間に骨が脆くなっていると、急な運動をきっかけに骨折などにつながる恐れもあります。
病院などで定期的にチェックしてもらう
食事や生活習慣に気を付ける
ことを心がけてみてください。
健康な骨を維持するために、日々の小さな積み重ねが大切ですし、運動を本格的にしようとされたり、体を見直そうと考えている方はまずお近くの病院に相談してみてください。
投稿者プロフィール
- しなやかで軽い体を作る専門店コンディショニング&フィットネススタジオAlter代表。理学療法士歴15年。ICU〜在宅まで幅広く経験。認定理学療法士(運動器・呼吸器)、呼吸療法認定士、心リハ指導士。知っていることで悩みが解決することもあります。このブログで少しでもお力になれたらと思っています。
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